相続税2026年5月13日最終更新: 2026.05.13

この記事の要点

  • 2割加算は相続税法第18条に基づく、被相続人の一親等の血族(代襲相続人を除く子・父母)と配偶者以外の人が相続税の納税義務者となる場合に、相続税額の20%を加算する制度
  • 加算対象:兄弟姉妹、甥姪、内縁関係者、孫(代襲相続人を除く)、孫養子、第三者など
  • 代襲相続人である孫は加算対象外(民法第887条2項の代襲相続)。一方、養子になった孫は2割加算の対象(相続税法第18条2項)
  • 2割加算後の税額に他の税額控除(贈与税額控除・配偶者税額軽減等)が適用される。計算順序を間違えると税額が変わる

相続税には、相続人の続柄によって税額が20%上乗せされる「2割加算」という制度があります。配偶者や子・親が相続する場合は対象外ですが、兄弟姉妹や甥姪、孫養子などが相続・遺贈を受ける場合は税額が大きく変わります。

この記事では、相続税法第18条に基づく2割加算の対象者・計算方法・他の税額控除との計算順序まで、西東京市を拠点とする当センターが解説します。

相続税の2割加算とは(相続税法第18条)

相続税の2割加算とは、相続税法第18条に定められた制度で、相続または遺贈により財産を取得した者が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった被相続人の直系卑属を含む)および配偶者以外の人である場合に、その人の相続税額に20%を加算する制度です。

趣旨は、被相続人との関係が近い者(配偶者・子・親)に比べて、それ以外の者(兄弟姉妹や甥姪、孫養子、第三者など)への財産移転は偶然性が高いと考えられること、また、世代飛ばしによる相続税回避を抑制することにあります。

2割加算の対象者・対象外

対象外:配偶者、子、父母、代襲相続の孫

2割加算の対象外(=加算されない)のは、以下の人です。

  • 配偶者
  • 一親等の血族(実子・養子を含む子、父母)
  • 代襲相続人となった孫(直系卑属)

対象:兄弟姉妹、甥姪、孫養子、内縁、第三者など

2割加算の対象(=加算される)のは、以下の人です。

  • 兄弟姉妹(二親等)
  • 甥・姪
  • 祖父母(一親等ではないため)
  • 代襲相続人ではない孫(一般的な孫)
  • 孫養子(被相続人の養子となった孫)
  • 内縁の配偶者
  • 友人・知人など第三者(遺贈の場合)

孫養子が2割加算となる理由(相続税法第18条2項)

相続税法第18条2項は、被相続人の養子となった者でも、その被相続人の直系卑属に該当する者(つまり孫養子など)は、代襲相続人となる場合を除き、2割加算の対象とすると定めています。

これは、孫を養子にすることで一世代飛ばして相続させ、相続税を1回分節約する「世代飛ばし」を抑制するための規定です。なお、被相続人の子の代襲相続人となった孫養子は、2割加算の対象外となります。

代襲相続の孫は加算対象外

被相続人の子がすでに死亡しているために、孫が代襲相続人として相続する場合(民法第887条2項)、その孫は2割加算の対象外です。これは、本来であれば子(一親等)が相続するはずだったところ、子の死亡により孫が代わりに相続するという地位の連続性が考慮されているためです。

2割加算の計算方法

計算式:相続税額 × 1.2

2割加算の計算式はシンプルで、各人の算出相続税額に20%を上乗せします。

  • 加算後の税額 = 各相続人の算出相続税額 × 1.2
  • または、加算額 = 各相続人の算出相続税額 × 0.2

具体例:兄弟姉妹が相続する場合

独身で子のないAさんが亡くなり、財産を弟Bさんが相続したケースを考えます。Bさんに割り振られた算出相続税額が500万円だった場合、2割加算により以下のように計算されます。

  • 500万円 × 1.2 = 600万円(加算後の税額)
  • 加算額:100万円

具体例:孫養子の場合

被相続人Cさんが、息子の子(孫)Dを養子にしていた場合、Dの算出相続税額が300万円だった場合は、2割加算により以下のように計算されます。

  • 300万円 × 1.2 = 360万円
  • 加算額:60万円

ただし、Cさんの息子(Dの実親)がすでに死亡しており、Dが代襲相続人としての地位も持つ場合は、2割加算の対象外となります。

他の税額控除との順序

相続税の計算では、各種税額控除との適用順序が法定されています。一般的には以下の順序で適用します。

  1. 各人の算出相続税額の計算
  2. 2割加算の適用(相続税法第18条)
  3. 暦年課税分の贈与税額控除
  4. 配偶者の税額軽減(相続税法第19条の2)
  5. 未成年者控除
  6. 障害者控除
  7. 相次相続控除
  8. 外国税額控除
  9. 相続時精算課税分の贈与税額控除

この順序を間違えると、最終的な納税額が変わってしまうため、相続税申告では慎重に計算する必要があります。

2割加算を回避する方法

2割加算の負担を軽減するためには、生前のうちに以下の対策を検討する余地があります。

  • 生前贈与の活用:暦年贈与の非課税枠(年間110万円)や相続時精算課税制度を活用し、計画的に財産を移転する
  • 生命保険の受取人指定:生命保険金には法定相続人1人あたり500万円の非課税枠があるため、これを活用する
  • 養子縁組の慎重な検討:孫養子は世代飛ばしのメリットがある一方で2割加算の対象になるため、メリット・デメリットを総合的に判断する
  • 遺言書での配分の工夫:2割加算対象者への配分を抑え、配偶者・子に多く配分するなどの調整

2割加算が問題となるケース

2割加算は、以下のようなケースで特に大きな影響を与えます。

  • おひとりさまの相続:配偶者・子がおらず、兄弟姉妹や甥姪が相続するケース
  • 子のいない夫婦の相続(配偶者の死後):後に残された配偶者も亡くなった後、兄弟姉妹が相続するケース
  • 遺贈で第三者に財産を残すケース:事実婚のパートナーや団体への遺贈
  • 孫を養子にしているケース:世代飛ばし対策で養子縁組を行ったが、2割加算が発生

当センターでの対応事例

清瀬市にお住まいのOさんは、おひとりさまで甥姪が法定相続人となるケースでした。当センターでは、生前贈与・生命保険の活用・遺言書作成を組み合わせて、2割加算の影響を最小限に抑えるご提案をいたしました。西東京市・東久留米市・新座市など近隣エリアでも、おひとりさまや子のいないご夫婦からの2割加算に関するご相談が増えております。

まとめ

相続税の2割加算は、相続税法第18条に基づく重要な制度です。配偶者や1親等の血族以外が相続する場合は、税額が20%上乗せされるため、生前のうちから対策を検討することで負担を軽減できる可能性があります。

当センターでは無料相談を実施しております。養子縁組と相続相続税の基礎控除生命保険と相続についてもあわせてご確認ください。当センターのサービス内容もぜひご覧ください。

当センターの実績 当センターでは、おひとりさまや子のいないご夫婦の相続案件で、2割加算の影響を考慮しながら生前贈与・生命保険・遺言書を組み合わせた最適な相続対策を多数ご提案してまいりました。

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※免責事項:本記事は2026年5月時点の法令等に基づく一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務アドバイスを行うものではありません。具体的なご相談は、専門家にお問い合わせください。

この記事の監修

株式会社 相続サポートセンター(みらいグループ)

税理士法人みらいを中心に、行政書士・社労士・不動産の専門家が連携。西東京市を拠点に、相続手続き・遺言書作成のワンストップサポートを提供しています。

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